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あんごこうだん
安吾巷談
11 教祖展覧会
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,182 字 · 15 页
言葉の借り物がないだけでも、謎絵よりは大そう良かろう。絵の展覧会というものは、教祖や弟子から謎をかけてもらいに行くところではないのである。
これら謎絵の狂信者の大元の大教祖はとたずねれば、ピカソあたりになるのだろうが、ピカソという人は、日本の弟子とは大ぶ違っているようだ。第一に、この先生はすでに絵描きではないし、そのことを自覚している先生である。この教祖は絵画を下落させた。つまり、絵画というものを独立して存在する芸術から下落させて、建築の一部分、実用生活の一部分に下落させた人である。しかし、これが下落か上昇かは、にわかに断定ができないが、彼は芝居の背景もコスチュームも構成するし、陶器も焼くし、椅子や本箱のデザインでも、なんでもやる。彼の絵の観念的先駆をなしているものは、実生活の実用ということで、絵という独立したものではない。
日本の小教祖や小弟子の絵や彫刻にも、ピカソの自覚があれば、まだ救われると思う。私が見たものの中でも、これはフロシキか、これは帯の模様か、これはイスか、これはジュウタンか、と思うようなのはタクサンあった。謎をかけようなどという妙な根性は忘れ、専一に実用品の職人になれば、まだしも救われるであろう。