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あんごしんにほんふどき
安吾新日本風土記
02 第一回 高千穂に冬雨ふれり≪宮崎県の巻≫
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,371 字 · 34 页
大和朝廷の勢力が定まるまでは日本いたるところに豪族同士の争いや戦いが行われ、私の考えでは勝者は必ず敵の祖先の墓などをあばいて敵方の荘厳の絶滅をはかったに相違ないと思うのだ。三輪神社は山が御神体であるが、私はそこに大国主命の墓があって敵方に破壊されたのではないかと考える。大国主命が負けた神様であることからその想像をしてみるのだが、日本では山上墳がないと云われているけれども、飛騨にも日向にも山上の古墳はあるし、赤城山中にはヒツギ石という巨石があってここには明かにヒツギの字を用い、赤城神社の神様の墓の石だろうと土地の人々は云い伝えている。破壊された墓である。蘇我入鹿やエミシが巨大な墓をつくったことは分っているがそれは今日どこにも見ることができないことなぞによっても、負けた豪族の墓があばかれ破壊されてその種族の荘厳の絶滅がはかられたであろうことは考えられるであろう。私は諸国の山上に祭祀趾と伝えられる石組み様のものの中には破壊された古墳がかなり多いのではないかと考えているのである。たとえば信州なぞにはその国の伝説や歴史なぞから当然大古墳がなければならぬと思われるところにそれがないということも、信州が負けて亡ぼされた人の国であり、今日伝わるものが少いということが、むしろその帝国が相手にとって大敵だったアカシになる