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あんじゅうこん

安重根

谷 譲次

――十四の場面――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,548 字 · 100 页

青空文庫

なにも、あなた方のように、年中秘密の相談があるというわけではなし――。

朴鳳錫 (再び掴みかかろうしして鄭吉炳に停められる)嫌なやつだなあ、こいつ。

鄭吉炳 まあ朴君、そう君のように――とにかく、先生に話しがあるといって来ているんだから、言うことだけ言わして、早く帰そうじゃないか。

張首明 安重根という人に頼まれて来たんです。

裸か蝋燭を持って、李剛が跛足を引きながら降りて来ている。

李剛 (呆けて)安重根?――さあ、聞いたような名だが、よく知りません。どういう話です。

鄭吉炳 (急き込む)張さん、君はその安という人と以前から識り合いなのか。

李春華と柳麗玉が降りて来る。柳麗玉は蝋燭を持っていて、李剛のと二本で舞台すこしく明るくなる。

張首明 以前から識りあいというわけでもありませんが、まあ、そうです。安重根さんは私たちの仲間です。

鄭吉炳 君たちの仲間――と言うと、その人も床屋なんだね?

張首明 いえ。安さんは床屋じゃあありません。

鄭吉炳 同業ではないけれど、仲間だと言うのかい。すると――。

朴鳳錫 (激昂して)解ってるじゃあないか。やっぱり安のやつ、張の一味なんだ。