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たからづかおいたちのき

宝塚漫筆

小林 一三

小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页

青空文庫

はじめの頃は安藤君の作品が多かったが、その中でも、初期上演の「音楽カフェー」は代表的なもので、安藤君が作曲し、脚本も書いた。

あるレストランがあって、そこで何かのときに女給がお皿を叩いたり、フォークで調子をとって陽気に唄い騒ぐ、そういうハーモニーを考えて一つの歌劇をつくり上げたのだ。

何でも、ドイツかイタリーの音楽に「鍛冶屋」というのがあって、トントンと鉄砧を叩く、それからヒントを得たと言っていた。そういうふうにして、安藤君の作品が相当に集まって行った。

ところが、あるとき突然、先生は宝塚の方針に対して気にいらないことがあったと見えて、楽譜集を持って、どっかへ隠れてしまった。私は内心困ったなと思ったが、おもては平然として、

『安藤が隠れたって、オレはちっとも困らんよ。作曲は自分でする。』

安藤君は僕が音楽の知識のないことを知っているので、とても作曲なんぞできるはずがないと、たかを括っていたらしいが、僕は何とか唱歌集とか、学校の唱歌教科書を集めて来て、それを一ト通り読むと、まずここへこの歌を持って来る。それが終るとここで話をして芝居をする。今度はこの音楽を持って来る。