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たからづかおいたちのき
宝塚漫筆
小林 一三
小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页
まず第一に考慮せねばならないのは、生徒達が習いおぼえた演技を発表する劇場であった。だがこれは、さきに時勢に早過ぎて失敗した「パラダイス」の室内水泳場を利用することとなり、その水槽の全面に床を設けて客席とし、脱衣場を舞台に改造(夏は再び水泳場にするつもりであった)して、ここに宝塚少女歌劇公演用の記念すべき最初の劇場が生れた。そしてこの第一回公演に選ばれた曲目は、左の三曲目であった。
北村季晴氏作 歌劇「ドンブラコ」
本居長世氏作 喜歌劇「浮れ達磨」
宝塚少女歌劇団作 ダンス「胡蝶の舞」
このように上演脚本も選定せられて、配役も決定し、公演の練習に没頭した。それも、三月二十日から三十一日にいたる十二日間を、連日舞台稽古に費したというほどの慎重さをもって、いよいよ四月一日、処女公演の幕を開けた。
今日から考えると、それは温泉場の余興として生れたとはいうものの、日本劇壇の一つの新分野を開拓するものでもあった。それはやがて新国民劇として大成する芽生えが、微かにその双芽を覗かせていたのである。
糊と鋏で出来上った脚本
この処女公演は四月一日から五月三十日まで公開されたのであるが、その間には、いろいろ困った、といっても、またなかなか面白い話もあった。