轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いえ

家

島崎 藤村

02 (下)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,411 字 · 285 页

青空文庫

と嘆息するように口ずさんだ。食卓の上には、妓の為に取寄せた皿もあった。年増は残った蒲鉾だのキントンだのを引寄せて、黙ってムシャムシャ食った。

やがて十二時近かった。三吉は酔った甥が風邪を引かないようにと女中によく頼んで置いて、独りで家まで車を命じた。女中や三人の妓は玄関まで見送りに出た。三吉が車に乗った時は、未だ女達の笑声が絶えなかった。

「叔父さん! 叔父さん!」

すこし話したいことが有る。こういう森彦の葉書を受取って、三吉は兄の旅舎を訪ねた。二階の部屋から見える青桐の葉はすっかり落ちていた。

「来たか」

森彦の挨拶はそれほど簡単なものであった。

短く白髪を刈込んだ一人の客が、森彦と相対に碁盤を置いて、煙管を咬えていた。この人は森彦の親友で、実や直樹の父親なぞと事業を共にしたことも有る。

「三吉。今一勝負済ますから、待てや。黒を渡すか、白を受取るかという天下分目のところだ」

「失礼します」

こう兄と客とは三吉に言って、復た碁盤を眺めた。両方で打つ碁石は、二人の長い交際と、近づきつつある老年とを思わせるように、ポツリポツリと間を置いては沈んだ音がした。

一石終った。