轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いえ

家

島崎 藤村

02 (下)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,411 字 · 285 页

青空文庫

名倉の母は長く逗留していた。その間に、お雪は留守番を母に頼んで置いて、旧の学校友達だの、豊世の家だのを訪問して歩いた。子持で、しかも年寄のない家に居ては、こういう機会がお雪には少なかったからで。三吉は妻の外出にすら、何とも言ってみようの無い不安な感じを抱くように成った。

ある晩、お雪は直樹の家を訪ねると言って出て行った。十時過ぐる頃まで帰って来なかった。妙に三吉は心配に成って来た。

「母親さん――お雪はどうしたでしょう。こんなに遅くなっても、未だ帰りません。一寸私はそこいらまで行って見て来ます」

こう名倉の母に言って置いて、三吉は直樹の家まで妻を迎えに行った。

橋の畔で彼はお雪の帰って来るのに行き逢った。

「父さん」

と声を掛けられて、三吉はやや安心したように、

「心配したぜ。こんなに遅くまで話し込んでるやつが有るもんか。もうすこしで、俺は直樹さんの家まで行っちまうところだった」

お雪は夫に寄添った。こうして二人ぎりで一緒に歩くということは、夫婦にはめったに無かった。三吉は妻を連れて、暗い道を静かに考深く歩いて帰った。

「――『一体お前はどういう積りで俺の許へ嫁に来た』