轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いえ

家

島崎 藤村

02 (下)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,411 字 · 285 页

青空文庫

意気相投じた達雄は、最早拓落失路の人と成った。

とは言え、留守中彼の妻子が心配したほど、実は衰えて見えなかった。彼は兄弟中で一番背の高い人で、体格の強壮なことは父の忠寛に似ていた。小泉の家に伝って、遠い祖先の慾望を見せるような、特色のある大きな鼻の形は、彼の容貌にもよく表れていた。顔の色なぞはまだ艶々としていた。

この兄が三吉の部屋へ通った。丁度、娘達は家に居なかった。三吉は長火鉢の置いてあるところへ行って、自分で茶を入れた。それを兄の前へ持って来た。

一生の身の蹉跌から、実は弟達に逢うことを遠慮するような人である。未だ森彦には一度も逢わずにいる。三吉に逢うのは漸く二度目である。

「俊は?」と実が自分の娘のことを聞いた。

「一寸新宿まで――延と二人で買物に行きました」

「御留守居がウマク出来るかナ」

「ええ、好く遣ってくれます。今日は二人に、浴衣を一枚ズツ奢ってやることにしました」

「それは大悦びだろう。お前のとこでも、子が幾人も死んで、随分不幸つづきだったナ。しかし世の中のことは、何でも深く考えては不可。淡泊に限る。乃公はその主義サ――家内のことでも――子供のことでも――自分のことでも」