轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いえ
家
島崎 藤村
01 (上)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,748 字 · 254 页
なんでもお房は自分で茶椀を持って飲まなければ承知しなかった。終には泣いて威した。
「未だ独りで飲めもしないくせに」
と言って、お雪が渡すと、子供は茶椀の中へ鼻も口も入れて飲もうとした。皆なコボして了った。
「それ、御覧なさいな」とお雪は子を取出した。
「ア――舌打してらあ。あれでも飲んだ積りだ」と三吉が笑う。
「この節は何でも母さんの真似ばかりしてるんですよ。母さんが寝れば寝る真似をするし、お櫃を出せば御飯をつける真似をするし――」
「どれ、父さんが一つ抱ッこしてみてやろう――重くなったかナ」と三吉は子供を膝の上に載せてみた。
お房の笑顔には、親より外に見せないような可憐さがあった。
「兄貴の家を見たら、俺もウカウカしてはいられなく成って来た」
こう三吉が言って、子供をお雪の手に渡した。
「房ちゃん」と下婢はそこへ来て笑いながら言った。「父さんに股眼鏡してお見せなさい」
「止せ、そんな馬鹿な真似を」
と三吉が言ったが、お房は母の手を離れて、「バア」と言いながら後向に股の下から母の顔を覗いた。
「隣の叔母さんが、房ちゃんの股眼鏡するのは復た直に赤さんの御出来なさる証拠だッて」