轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いえ

家

島崎 藤村

01 (上)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,748 字 · 254 页

青空文庫

平素から厳格な姑のような人に、そんなトボケた真似が出来るであろうか、こう思うと、豊世はハラハラした。

二階の広間には種々な浴客が集って来た。その日はこの温泉宿に逗留しているものばかりでなく、他からも退屈顔な男女が呼ばれて来て、一切無礼講で遊ぶことに成った。板前から女中まで仲間入を許された。

賑かな笑声が起った。隠し芸が始まったのである。若い娘や女中達は楽しそうに私語き合ったり、互に身体を持たせ掛けたりして眺めた。こういう時に見せなければ見せる時は無いと思うかして、芸自慢の人達は我勝にと飛出した。中には、喝采に夢中に成って、逆上たような人も有った。

この光景を見て来て、廊下伝いに豊世は部屋の方へ戻ろうとした。林の細君に逢った。

豊世は気が気で無いという風に、「奥さん――母親さん達は大丈夫なんでしょうかねえ。何だか私は心配で仕様が有りません」

「私共の祖母さんが太夫さんなんですトサ」と林の細君は肥満した身体を動りながら笑った。

「母親さんもネ、家の方のことを心配なさり過ぎて、それであんなに気が昂ったんじゃないかと思いますよ――母親さんには無い事ですもの……」