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からすうりのはなとが

寺田寅彦随筆集 第三巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:からすうりの花と蛾、火山の名について、日常身辺の物理的諸問題、量的と質的と統計的と、物理学圏外の物理的現象、ロプ・ノールその他、青衣童女像、カメラをさげて、連句雑俎、ラジオ・モンタージュ、青磁のモンタージュ、読書の今昔、映画の世界像、「手首」の問題、映画雑感(Ⅰ)、生ける人形、映画芸術、音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」、俳諧の本質的概論、夏目漱石先生の追憶、田丸先生の追憶。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 页

青空文庫

訳文の意味がどうしてもわからない場合に、それを一ぺん原語に直訳して考えてみるとなるほどと合点が行って思わず笑い出すことがある。たとえば「礼服を着ないでサラダを出した」といったような種類のものである。

先端的なものの流行る世の中で古いものを読むのも気が変わってかえって新鮮味を感じるから不思議である。近ごろ「ダフニスとクロエ」の恋物語を読んでそういう気がするのであった。今のモボ、モガよりもはるかに先端的な恋をしているのである。アリストファーネスの「雲」を読んで学者たちが蚤の一躍は蚤の何歩に当たるかを論ずるところなどが、今の学者とちっとも変わらない生き写しであることをおもしろいと思うのであった。「六国史」を読んでいると現代に起こっていると全く同じことがただ少しばかりちがった名前の着物を着て古い昔に起こっていたことを知ってあるいは悲観しあるいは楽観するのである。だんだん読んでいると、古い事ほど新しく、いちばん古いことが結局いちばん新しいような気がして来るのも、不思議である。古典が続々新版になる一方では新思想ものが露店からくずかごに移されて行くのも不思議である。