轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:からすうりの花と蛾、火山の名について、日常身辺の物理的諸問題、量的と質的と統計的と、物理学圏外の物理的現象、ロプ・ノールその他、青衣童女像、カメラをさげて、連句雑俎、ラジオ・モンタージュ、青磁のモンタージュ、読書の今昔、映画の世界像、「手首」の問題、映画雑感(Ⅰ)、生ける人形、映画芸術、音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」、俳諧の本質的概論、夏目漱石先生の追憶、田丸先生の追憶。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 页
しかしそれは結局は弦の美しい音を出すための争闘過程であって、決して鋸の目立てのような、いかなる人間の耳にも不快な音を出すためではないのである。しかし弓を動かす演奏者の手首がわがままに堅くては、それこそ我利我利という不快な音以外の音は出ないであろう。そうしてそういう音では決して聞く人は踊らないであろう。
欧州大戦前におけるカイゼル・ウィルヘルムのドイツ帝国も対外方針の手首が少し堅すぎたように見受けられる。その結果が世界をあのような戦乱の過中に巻き込んだのではないかという気がする。ともかくもこれにもやはり手首の問題が関係していると言ってもよい。これは盛運の上げ潮に乗った緊張の過ぎた結果であったと思われる。深くかんがみるべきである。
近ごろスペインの舞姫テレジーナの舞踊を見た。これも手首の踊りであるように思われた。そうしてそのあまりに不自然に強調された手首のアクセントが自分には少し強すぎるような気もした。しかしこれがかえっていわゆる近代人の闘争趣味には合うのかもしれないと思われるのであった。
しかし、時代思想がどう変わってもバイオリンの音の出し方には変わりがないのは不思議である。