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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
その剃刀が先生のゲッチンゲン大学時代に求めた将来ものだというのでいっそう感心したものらしい。
とにかく、もし自分の留学後だったらバン・フーテンや安全剃刀にも別に驚かなかったはずであるから、それでこの三原山生活の年代の決定が確実にできたわけである。
このときの三原山生活は学問的にもおもしろかったがまた同時に多分の美しい詩で飾られていたようである。しかも、自分の場合にはそれらの詩がみんな自分の肉体の生理的機能となんらかの密接な関係をもっていたような気がする。
三
どうも自分の詩の世界は自分のからだの生理的機能と密接にからみ合っていて直接な感官の刺激によってのみ活動しているのではないかという気がするのである。これはあまり自慢にならない話のようである。しかし詩人の中にもいろいろの種類があって、抽象的精神的な要素の多い詩を作る人がある一方ではまた具象的官能的な要素に富んだ詩に長じた人もあるようである。自分の見るところでは、俳人芭蕉などはどちらかと言えば後者に属するのではないかという気がする。もしそうだとすると、官能的であるということ自身がそれほどいけない事でもなさそうである。