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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
を相手の仕事から自然の研究が始まり、それがついに自然科学にまで発達するということは全く当然な過程であると言わなければならない。
そうだとすると、昔の主権者為政者のもとに祭官、巫術師らの行なった仕事の一部は今日では彼らの後裔の科学者の手によって行なわれておるべきはずである。そうして、ある見方で見れば実際それがそうなっているのである。たとえば五穀の収穫や沿海の漁獲や採鉱冶金の業に関しては農林省管下にそれぞれの試験場や調査所などがあって「科学的政道」の一端を行なっており、疫病流行に関しては伝染病研究所や衛生試験所やその他いろいろの施設があり、風水旱害に関しても気象台や関係諸機関が存在しているようである。これらの政府の諸機関は、少なくもその究極の目的においては、昔の祭官や巫術者のそれと共通なものをもっていることは事実である。
昔の為政者の仕事のうちで今日の見地から見て科学的と考えられるものは上記のごとき宗教的色彩あるもののほかにもいろいろあった。たとえば、天智天皇のみ代だけについて見ても「是歳水碓を造り而冶※」とか「始て漏剋を用う」とか貯水池を築いて「水城」