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あひるとさる

寺田寅彦随筆集 第五巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页

青空文庫

詩が成立したということである。

以上は俳句の内容に関することであったがその五七五の定型についてもその成立が決して偶然でないことは次の所説から理解されようかと思う。

ジュール・ロマンという人が、フランス人の作ったいわゆるハイカイを批評した言葉の中におおよそ次のような意味の苦言がある。「俳句の価値はすべての固定形の詩の場合と同様に詩形の固定していること、形式を規定する制約の厳重なことに存している。かつて仏国にソンネット詩形を取り入れたとき、多少この詩形の規則をはずれたようなものを作ったものもあって、いかもの扱いにされたことであったが、それでもその規則はずれの自由さはほんのわずかの程度のものであった。しかるにフランスのハイカイはなるほど三つの詩句でできているというだけは日本のに習っているが、一句の長さにはなんの制限もないし、三句の終わりの語呂の関係にも頓着しない。それでは言わば多少気のきいたノート・ド・カルネー(手帳の覚え書き)ぐらいにはなるかもしれないが、しかし日本俳句の力強さも、振動性も拡張性もない」というのである。外国人の所説としてはおもしろいと思われる。