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しょうせつのよみどころ
小説の読みどころ
宮本 百合子
「文学新聞」1933(昭和8)年6月16日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,633 字 · 4 页
「党生活者」を読む場合、以上の点は見落としてならぬところである。
『読売新聞』で、杉山平助氏が「党生活者」第六部(五月号『中央公論』所載)を批評していたが、それは、この作品が五月号の部分では最も明瞭に且つ重点をそこにおいて企業内の反動政策との闘争について書いているのに肝心のそのところはちっとも理解せず、同志伊藤や笠原という婦人を書いたとこだけをとりあげ、同志小林が女に対して強権的ではなかったかなどと結果においてデマゴギー的なことを云っている。ブルジョア批評は、うるさく作品の詮議だてをして、うまいとかまずいとか、書けている、いないと云うが、彼等は自分の世界観を階級性に狭められているため、プロレタリア文学についていう場合、それが何をどう書こうとしているかさえ見えないということが明白に現れているのである。
経営・農村で働きつつ、闘争しつつプロレタリア文学を擁護し、それを制作してゆく労農文学通信員などこそ、同志小林が前衛作家として築いた到達点を推し進めるべき歴史的必然性の上にたっている。我々は、鋭く強靭に、粘りづよく自身の日常闘争を押しすすめよう。そのことによって、政治的に高まり、新しいタイプのプロレタリア作家として自身を鍛え上げよう。