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しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页
トラックの番号は新高運転手が見といたそうですが、訴えても問題になりませんし、誰を怨むところもありません。タカの知れた女の子一匹です。広い世間の眼から見たら虫ケラ一匹のねうちも御座いますまい。それでもお客さんの生命に代ったのですから、私ももうトックに諦めております。会社からはその月の給料のほかに十円くれました。助かったお客様なんか見向きもしませんが、安いもんですなあ。よその人を敷いたのなら三百円ぐらい出しますが、葬式代にも足りません。もっとも、それぐらいに安く見積もらなきゃあ、若い人間をアンナに大勢、あぶない仕事には使われますまい」と言うていなさったわ。
怖いわねえ。妾黄色いバラの花をドッサリ仏様に上げたわ。
デモこの話を聞いた時に妾もうツクヅク女車掌がイヤになってしまったのよ。雲雀の鳴く田圃で、お父さんやお母さんのお手伝いをしていなさる智恵子さんが浦山しくなったわ。
わたしの言っている意味がおわかりになって?
女車掌というものがドンナに嫌らしい、淋しい、恐ろしい、ツマラナイ運命を持っているものかおわかりになって?
呉々も女車掌なんて止して頂戴。ね。