轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页
博多発十一時の折尾行きの最終発を待合室で待っているうちに、お客が一人もいないので、いいチャンスと思ったのでしょう。新高さんは黄色いバラの花を一本持って入って来て、妾の手に握らせたの。妾ギクンとしちゃったわ。だってバラの花は死んだツヤ子さんの一番好きな花だったんですもの。
妾が何かしら胸が一パイになりながら、ありがとうって言ったら、
「トミチャン。今夜、折尾の僕の下宿に来ないか」
ってダシヌケに言うじゃないの。つめたい真面目な顔をしてね。女を口説くような眼付きじゃなかったわ。英雄的な男らしい眼付きだったわ。
その眼付きを見たトタンに妾は決心しちゃったわ。喜び勇んで、
「ええ。行ってもいい」
って言っちゃったわ。でもずいぶん息苦しかったわ。
智恵子さん、ビックリしちゃ嫌よ。妾スッカリ新高さんが好きになっちゃったのよ。これこそホントに生命がけの恋よ。そうして、それと一緒にドウかしてツヤ子さんの仇敵を取って遣りたくなったのよ。新高さんを取っちめて、ヒイヒイあやまらせた揚句に、自殺させるかドウカしたら、どんなにか愉快だろうと思ってしまったのよ。
コンナ風に文句に書いてみると、妾の言う事はムジュンしているでしょう。