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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

あの案内状どこへ行ったんでしょう」

「ふうん。そいつは面白そうだね。会費はイクラだい」

「たしか十円と思いましたが……」

「高価えなあ」

「オホホ。でも幹事の白鷹先生から、臼杵先生に是非御出席下さいってペン字で添書がして在りましたわ」

「ふうん。行ってみるかな」

「あたし、先生がキットいらっしゃると思いましたからね。それから後お電話で白鷹先生に、今度こそ間違ってはいけませんよって念を押したら、ウン。臼杵君からも手紙が来た。おまけに幹事を引き受けたんだから今度こそは金輪際、ドンナ事があっても行くって仰言ったんですの。そうしたらまたきょうの騒ぎでしょう。あたし口惜しくて口惜しくて……」

「馬鹿、そんな事を口惜しがる奴があるか。何にしてもお気の毒な事だ。いい序と言っちゃ悪いが、お見舞いに行って来て遣ろう」

「まあ先生。今から直ぐに……?」

「うん。直ぐにでもいいが……」

「でも先生。アデノイドの新患者が三人も来ているんですよ」

「フーム。どうしてわかるんだい。鼻咽腔肥大ってことが……」

「ホホ。あたし、ちょっと先生の真似をしてみたんですの。患者さんの訴えを聞いてから、口を開けさせてチョット鼻の奥の方へ指先を当ててみると直ぐに肥大が指に触るんですもの」