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しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页
していろいろな悪戯をしておられるのかも知れない。
……そうだそうだ。その方が可能性のある説明だ。それがマンマと首尾よく図に当ったので、あんなに皆して笑ったのかも知れない。
……と……そんな事まで考えるようになったが、これは私が元来そう言った悪戯が大好きで、懲役に行かない程度の前科者であったところから、自分に引き較べて推量した事実に過ぎなかったであろう。同時にそこには姫草ユリ子から植え付けられた白鷹氏の性格に関する先入観念が、大きく影響していた事も自覚されるのであるが、とにもかくにも事実、そんな風にでも考えを付けて気を落ち着けて置かねば、すぐに、この上もなく非常識な、恐ろしい不安がコミ上げて来て、トテも凝然として三十分間も電車に乗っておれない気がしたのであった。それでも電車がブンブン揺れながら、暗黒の平地を西へ西へと走るのがたまらなく恐ろしくなって、途中で飛び降りてみたくなったくらい私は、一種探偵小説的に不可解な、不安な昂奮の底流に囚われていたのであった。横浜へ帰ったら、私の家族と私の病院が、姫草ユリ子諸共に、何処かへ消え失せていはしまいか……と言ったような……。