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しょうねんのひにけい
少年の日二景
小川 未明
おどろき「台湾日日新報」1940(昭和15)年8月4日<br>伸びるもの「台湾日日新報」1940(昭和15)年8月6日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,786 字 · 8 页
」
「みんな僕、食べるんだよ。」
「果物はいいのですか。」
「なつみかんとりんご。」
「良ちゃん、遠足は、食べにいくところではありませんよ。」
「お母さん、早く買いにいきましょう。」と、良ちゃんは催促しました。
「お仕事がすんだら、つれていってあげます。」
新緑の色は、だんだん濃くなって、どこの丘にも赤いつつじの花が盛りでした。また林には、小鳥が鳴いていました。良ちゃんたちの遠足は、そうした丘があり、林があり、流れがあり、池がある、そして電車に乗っていける、公園であったのです。
良ちゃんは、まだ、まったく暮れきらぬ外へ出て遊んでいました。夜の空には、金色の星が輝いていました。良ちゃんは、往来の上に立って、じっとその星の光をながめていました。
「あの星は、明日僕たちのいく、公園の森や林の照らしているのだろう。」
そう思うと、その星がなつかしく、また公園の森や林をあるところは、たいへん遠いところのような、またおもしろい場所のような気がして、なんとなく胸がおどるのでありました。
「お母さん、早くいかないの。」と、良ちゃんは、お家の中をのぞいて、いいました。
「ええ、もうすぐですよ。