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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

いかにもゴルドンの心配は、むりからぬことである。さすがのドノバンも、だまってしまった。

いまは、一日のゆうよすべきばあいでない、富士男は毎日、丘にのぼって、四方を展望した。ある日かれは、森のかなたに、ほのめく一条のうす青い影を発見した。夕日はかたむくにつれて、影がしだいにはっきりして、ぬぐうがごとき一天の色と、わずかに一すじの線をひくのみである。

「海だ!」

かれは思わずさけんだ。

「海だ!」

もし海とすると、この地は大陸つづきでなく、四方海をめぐらす、はなれ小島であると、思わざるをえない。

かれは丘をおりてサクラ号に帰り、一同にこのことを語ると、一同はあっといったきり、ものもいえなかった。

無人島! 家もなく人もない、いよいよ救わるべき見こみはなくなった。

「そんなことはない」

とドノバンはいった。

「いやたしかに海だ」

「よし、それじゃいけるところまでいって、その実否をたしかめることにしよう」

「よし、いこう」

遠征委員には、富士男とドノバンのほかに、ドイツ少年のイルコックと、仏国少年のサービスが、ついてゆくことにきめた。ゴルドンもゆきたかったが、かれはるすの少年を保護せねばならぬので、富士男を小陰によんで、ひそやかにいった。