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『しょうしょ』のこうとうひひょう
『尚書』の高等批評
白鳥 庫吉
特に堯舜禹に就いて
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,123 字 · 8 页
なり。
されば堯典記載の天文が、今日の科學的進歩の結果と相合はず、その十二宮、二十八宿を東西南北の相稱的位置に排列せることが、天文の實際にあはざることも、もとより當然のことなり。この堯典の記事は天文の實地觀測に立脚せるものには非ずして、占星思想より編み上げられ、十二宮二十八宿の智識と、陰陽思想とがその根底となりしものなるを知るべき也。
又禹貢の九州を見るに之にも一の系統の截然として存するを見る。東を青州といへるは五行によれるものにて、東方は木徳、色は青なるによれるなるべく、西を梁州といへるは、十二宮にて正西に當れる大梁、(これ即太白(金星)なり )は一に梁星と呼ばるゝより、之に因みて梁州の名を付せしものゝ如く、南方を揚州といふは、思ふに陽揚相通ぜしめしものなるべく、北を冀州とせるは、冀字北を含むによりて之を採りしものなるべし。作者がその馬脚を示さゞらんと欲して、いかに苦心せるかを察すべき也。
次に禹貢の記載は北方なる冀州より始る。これ北斗が帝王の座と考へらるゝ思想に基けるものにして、從つて堯舜禹三君は共にこの冀州に都せることゝ傳へらる。
なほ九山、九澤、九州等と九を撰べるは、易の太陽の數に因めるものにして禹貢には易の思想をも含めるを見る。