轻松读懂日语经典作品
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やまだちもんどう
山だち問答
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1946(昭和21)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,163 字 · 32 页
筈だ、「……いいだろう、おまえが置いて差支えないと思ったら使ってやるがいい」
「それは有難うございます、さぞ娘もよろこぶことでございましょう」
「だが念のために身許などはよくたしかめないといけないな、すべておまえに任せるから頼むぞ」
老婢は、自分のことのように喜んで立っていった。
悪評の嵐はなおやまなかったが、こちらがまるで平然としているため、さすがに張合がないのだろう、あまり手厳しいことは少なくなっていった。そして郡の家の日常はまるでそういうものの影響の外にあるかの如く、少しの変化もなく静かに明け暮れしていた。……当然お役替えになるものと覚悟していたが、幸いその沙汰はなく、勤めのほうもとにかく無事に過ぎて、季節は冬を迎えた。
ひっそりと時雨の降る宵だった。茶を運んで来た侍女のなつが「火をみましょう」といって火桶をひき寄せ、なにやら仕にくそうに炭をつぎ足しにかかった。玄一郎はなにげなくなつの顔を見た、こちらへ横顔を向けている。その眉もと口もとが、ふと玄一郎の胸をどきっとさせた。彼は自分の眼を信じ兼ねるように、改めてなつの顔かたち体つきをじっと見直した。