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みんざんのいんし
岷山の隠士
国枝 史郎
「大衆文芸」1926(大正15)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,095 字 · 19 页
忠義心が深かった。
義理堅いのをのぞきさえすれば、彼は実に完全に、近代芸術家型に嵌まった。
彼の幼時は不明であった。
が、彼の詩を信じてよいなら――又信じてもよいのであるが――七歳頃から詩作したらしい。
「往昔十四五、出デテ遊ブ翰墨場、斯文崔魏ノ徒、我ヲ以テ班揚ニ比ス、七齡思ヒ即チ壮、九齡大字ヲ書シ、作有ツテ一襄ニ満ツ」
すなわちこれが証拠である。
「七歳ヨリ綴ル所ノ詩筆、四十載、向フ矣、約千有余篇」
こんなことも書いてある。
開元十九年二十歳の時、呉越方面へ放浪した。
四年の間を放浪に暮らし、開元二十三年の頃、京兆の貢拳に応じたものである。
だが旨々落第してしまった。
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彼はすっかり落胆した。
奉天の父の許へ帰って行った。泰山を望んで不平を洩らした。
二年の間ブラブラした。
それから斉や趙に遊んだ。
それから長安へ遣って来たのであった。
李白と杜甫との会見は、賀知章が心配したほどにもなく、非常に円滑に行なわれた。
会後李白が賀知章へ云った。
「彼は頗る人間臭い。それが又彼のよい所だ。詩人として当代第一」
また杜甫はこう云った。
「なるほどあの人は謫仙人だ。