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とうげ

峠

木暮 理太郎

「山と渓谷」1938(昭和13)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,587 字 · 10 页

青空文庫

『万葉集』には「山のたをり」とある、タヲはタヲリのリが省かれたものであろう。要するに今日では、峠は広く使用される一般の称呼で、越えは夫よりも範囲が局限され、峠の低小なるものは時として坂と呼ばれることがあるものと心得てよろしかろうと思う。

序にお隣りの朝鮮を覗いて見ると、嶺、項、峙、※(「山+見」、第3水準1-47-77)の四字が用いられている。其中で嶺は、大小にも高低にも関係なく、広く各地に亙って漢字の字義通りに用いられているようであるから、これは我国の峠に比す可きものである。リョン又はニョンと発音されているらしい。項はメキ又はモクと発音するもののようであるが、其意義は私には不明である。其数は割合に少ない。峙は韓音チェーで、之も其意義は不明である。嶺に次で分布の区域は広いが、最大の高度は嶺よりも少し低い。※(「山+見」、第3水準1-47-77)は我国の坂にあたり、韓語ではコカイといい、中部以南に多く分布しているようである。そして恐らく柳※(「山+見」、第3水準1-47-77)の千五百六十六米を最高とし、二百乃至三百米前後のものが多数を占めている。