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くずれるおにかげ

崩れる鬼影

海野 十三

「科学の日本」博文館、1933(昭和8)年7月~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,100 字 · 69 页

青空文庫

「それは構わんじゃないか」黒田巡査が大きな声で呶鳴るように云いました。「足が不自由だから、簡単に飛べるような発明をしたと考えてはどうかネ」

「ほほう、君もどうやら事件のあったことを信用して来たようだネ」と警部は微笑しながら「だが兎に角、当面の相手は何とも説明のつけられない変な生物が居るらしいことだ。そいつ等の人数は大約十四五人は発見されたようだ。それも果して生物なのだか、それとも博士の発明していった何かのカラクリなのだか、これから当ってみないと判らない。博士の行方が判ると一番よいのだが、とにかく様子はこの少年の話で判ったから、一つ皆で天文学者谷村博士邸を捜査し、一人でもよいからその訳のわからぬ生物を捕虜にするのが急務である。判ったネ」

「判りました」「判りました」と凡そ二十人あまりの警官隊員は緊張した面を警部の方へ向けたのでした。彼等はいずれも防弾衣をつけ、鉄冑をいただき、手には短銃、短剣、或いは軽機関銃を持ち、物々しい武装に身をととのえていました。これだけの隊員が一度にドッと飛びかかれば、流石の妖怪たちも忽ち尻尾を出してしまうことであろうと、大変頼もしく感ぜられるのでした。