轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じゅんさじしょく

巡査辞職

夢野 久作

「新青年」1935(昭和10)年11~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,907 字 · 63 页

青空文庫

事実、世にも美しい若い夫婦が、手を取合って泣いている姿は一同の同情を惹くのに充分であった。

草川巡査が区長と連立って、大急ぎで深良屋敷から降りて行くと、その背後を見送るようにして検事、判事、司法主任の三人が門口を出て行った。そうして昔の母屋を取払った遺跡が広い麦打場になっている下の段の肥料小舎の前まで来ると、三人が向い合って立停って、小声で打合せを始めた。肥料小舎の背後を豊富な谷川の水が音を立てて流れているので、三人の声は三人以外の誰の耳にも這入らなかった。

「捜査本部はどこにするかね」

「駐在所でいいでしょう。電話がありますから。刑事を一人残しておいて、必要に応じて出張する事にしたいと思います。自動車で約一時間ぐらいで来られますから……」

「うむ。それがいいでしょう。実をいうと例の疑獄の方で儂も忙しくて、これにかかり切る訳にも行かんでのう……ところでアタリは附きましたかな……」

「色々想像が出来ますねえ。犯人は区長と、一知と、ルンペンと、前科者と……」

「ハハア。しかし今のところどれも考えられんじゃないですか、この場合……第一区長は見たところ相当な好人物に見えるじゃないですか。