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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

小林多喜二『工場細胞』。同一底本的分册已合并为一书。收入:工場細胞、独房、母たち。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,234 字 · 184 页

青空文庫

H・S工場の地図

森本は工場について一通り説明した。――工場Aが製罐部で、罐胴をつくるボデイ・ラインと罐蓋をつくるトップ・ラインに分れている。ボデイの方は、ブリキを切断して、円く胴をつくり、蓋をくっツけて締めつけ、それが空気が漏れないか、どうかを調べる。切断機、胴付機、罐縁曲機、罐巻締機、空気検査機などがその機械で、トップの方は錻力圧搾機、波形切断機、と蓋の溝にゴムを巻きつける護謨塗機がある。――工場Bは、階下はラッカー工場で、罐に漆を塗るところで、作業は秘密にされていた。階上は罐をつめる箱をつくるネーリング工場で、側板、妻板、仲仕切りを作っている。――出来上った罐とこの空箱が倉庫の二階のパッキング・ルームに落ち合って、荷造りされるわけである。工場Cは森本たちのいる仕上場になっていた。

――その外の附属は?

河田がきいた。

――実験室。これはラバー(ゴム引き)の試験と漆塗料の研究をやっています。こゝにいる人は私らにひどく理解を持ってゝくれるんです。どッかの大学を首になったッて話です。

――自由主義者ッてところだろう。

――それから製図室と云って、産業の合理化だかを研究しているところがあります。