轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ていてんをみざるのき

帝展を見ざるの記

寺田 寅彦

「中央美術」1920(大正9)年11月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,664 字 · 16 页

青空文庫

そういう絵はむしろ小形の下絵を陳列した方がいいかもしれない。私はある種の装飾的の絵は実際そうした方が審査員にも作家にもまた観賞者にも双方便宜ではないかと考えている。

このような色々の考えを人に話した時に、私は何でも新しいもの変ったものでさえあればいいとするもののように思われる事が多い。しかし事実はむしろ反対かもしれない。その証拠にはならないまでも、私はいわゆる新しい大和絵や歴史画を見ると、せっかく頭の中にもっている「過去」の幻影を無残に破壊される場合が多い。宗教や伝説や偉人やその他一般に過去を題材とした新しい画から「新しい昔の幻像」を吹き込まれた例を捜してみたが容易に思い出せない。帝展以外の方面もひっくるめてやっと思い出しのが龍子の「二荒山の絵巻」、誰かの「竹取物語」、百穂の二、三の作、麦僊の「湯女」などがある。それから少し方面はちがうがあまり評判のよくなかった芋銭の「石人」などからも何事かを教えられた。まだ外にも数えてみれば存外あるかもしれない。しかし例えば神代や仏教を題材にとったのや武将や詩人を題にしたので失望しなかった例は思い出せない。今の人間には崇高や壮大と名づけられる種類の美は何らかの障礙のために拒まれているのだろうか。