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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

07 彫刻修業のはなし

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,782 字 · 6 页

青空文庫

不動様はまず矜羯羅童子から始めます。これは立像で、手に蓮を持っている。次が制迦童子、岩に腰を掛け、片脚を揚げ、片脚を下げ、捻り棒を持っている。この二体が出来て来ると、次は本体の不動明王を彫るのです。

次は三体に対する岩を彫る。次は火焔という順序で段々と攻めて行くのである。この不動様の三尊を彫り上げるということは彫刻の稽古としては誠に当を得たものであって、この稽古中に腕もめきめき上がって行くのです。それはそのはずであって、この三体の中には仏の種々相が含まれているからです。矜羯羅が柔和で立像、制※(「咤-宀」、第3水準1-14-85)迦が岩へ「踏み下げ」て忿怒の相、不動の本体は安座であって、片手が剣、片手が縛縄、天地眼で、岩がある。岩の中央に滝、すなわち水の形を示している。後は火焔で火の形である。ですから、これで立像も分る。「踏み下げ」も分る。安坐も会得する。柔和忿怒の相から水火の形という風に諸々の形象が含まれているのであるから、調法というはおかしいが、材料としてはまことに適当であります。しかし、この不動三尊を纏め上げるには容易なことではなく、三、四年の歳月は経っていて、私の年齢も、もう十六、七になっている。