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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

61 叡覧後の矮鶏のはなし

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,398 字 · 3 页

青空文庫

それは私も無上の光栄。文句をいう所ではありません。目出たいことであった」とそこは物分りの早い江戸ッ児の若井氏、さらりとしたもので、私に向っても祝意を述べなどされ、この事件は美しく解決されることでありました(松尾氏は御説明を申し上げた時、濤川惣助氏の無線七宝も、フランス人の頼みで、日本に無線七宝がまだ出来ていないということは日本の技術の上の名誉に関するというので、同氏は非常に努力され、またフランス人は費用を惜しまず、作家を援助したことをも申し上げ、共に美術界には奨励の必要ということを奏し上げたとの事を私は承りました)。

かくて、宮内省からは、矮鶏の代価として百円をお下げになった。

協会からそれを若井氏の手に渡した。

すると、四、五日の後、若井氏は突然私の谷中の宅に訪ねて来られました(私は、その頃は谷中茶屋町に転居しておった)。

「今度は、どうもお目出たかった。ともども名誉のことであった。ついては宮内省より百円お下げになったから、此金を君へ持参した。まあ、赤飯でもたいて祝って下さい」

という言葉。

いつもながら、若井さんの仕打ちには私も一方ならず感激していますから、