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へいわうんどうとぶんがくしゃ
平和運動と文学者
宮本 百合子
一九四八年十二月二十五日、新日本文学会主催「文芸講演会」における講演
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,987 字 · 29 页
れる人々の気分をヒットラーが掴んでナチスはああいうように擡頭しました。そうしてドイツの人民は自分の運命というものをナチスのためにふみにじられるいとぐちを開いてしまった。この事実を私どもはよく理解しなければならないと思います。日本の民主化のこういう片輪な状態、云いかえると露骨な妨害によって歪められようとしている日本の民主化の事情において、今日私どもの文学の問題は直接どういうふうであるかというと、日本の民主主義文学の課題は、日本民主化そのもののすべての革命的課題と一致したものであります。ファシズム反対と平和のためのたたかいの諸相は日本民主主義文学のテーマであるし、人民の民主的能力の典型としてのソヴェト社会に対する支持もそのテーマの一つです。それらの一つとして古い私小説から社会小説への解放があります。ブルジョア文学の私小説では自我というものを問題にして来ました。ちょうど『近代文学』の人達が敗戦ののあとすぐ日本文学における「自我」の問題をとりあげたのも一例です。日本にはブルジョア民主主義が確立されなかったから、ブルジョア民主主義社会における意味での「自我」