轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうふくのかんかく
幸福の感覚
宮本 百合子
「婦人画報」1940(昭和15)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,231 字 · 14 页
する幸福感ばかりを追って、その条件を作ろうとせわしく眼を配っていて求め得られることでない。それは明らかであると思う。
私たちが、人間として生活の糧となるような幸福感を見出そうと思えば、日常生活の刻々に湧いたり消えたりする幸福感そのものを、更に生活の悲しみや苦しみと一緒にひっくるめて感じてゆく、ひろくゆたかな雄々しい心情がなければならないというのは、何と興味ある点だろう。
つよくよろこぶ心、つよく悲しむ心、つよく憤ることのできる心、そういう心は豊かな心である。そういう心は幸福感もつよく感じるが、その幸福感のそこなわれる感じもきつく受けるであろう。真のゆたかにつよい心は、自分のよろこびの感情も、悲しみの感情も、悲しみは幸福でない感情の面だからいやだときりすてず、そのよろこびをかみしめて味い、悲しみをかみしめて心に味うことから、やがて、自分の心がよろこび悲しむ人間生活のさまざまのいきさつの面白さを理解するところにまで到達する。
代々の人間がそれぞれの時代の環境の中で、常によりましな生活を求めて生きていて、その過程で敗北し、成就し、自分もそのうちにまぎれもない一人であるということの避けがたい辛さとともにある否定できない面白さ。