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ゆうれいやしきのさつじん
幽霊屋敷の殺人
山本 周五郎
「少年少女譚海」1930(昭和5)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,339 字 · 19 页
松川理学士は博士と兄弟で、共に勝浜主膳の孫だったが、博士がひとりで二万両の金の在かを探して自分の物にしようとしたので、弟の理学士が怒のあまり、飼い馴らしていた南洋鸚哥の吻に毒を塗って、兄を啄つかせて殺したのである。毒は猛烈なもので、小さな傷から入っても命を取るが、死んでから二時間経てば自然と消えてしまう秘密な毒だった。
そしてそれをごまかすために、鸚哥の足に白い絹の布を縛りつけておいたので、博士も吾郎も白い幽霊だといって騒いだのである。
龍介は廻転窓の枠から黒い羽根を拾ったことと、庭で鸚哥をみつけたが、その鸚哥が自分にとびかかったので理学士には馴れていることを見破った事、又、その邸が元長谷川侯の下邸の跡であり、又下邸にいた家老が二万両を隠匿して逃げたことを調べあげたので、事件解決の緒口を掴んだのである。
かくて世間を騒がせた幽霊殺人事件も、龍介の手でめでたく解決をつげた。
尚、白堊館の下に埋められてあった金は、長谷川家に戻したが、長谷川家からその内半分を龍介の研究費にと贈られたことを書添えておこう。