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りつことさだこ

律子と貞子

太宰 治

大学生三浦君在姐姐和妹妹之间左右为难,一个温婉一个活泼,到底选谁?这艳闻听得人又羡慕又头疼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,325 字 · 11 页

青空文庫

大学生、三浦憲治君は、ことしの十二月に大学を卒業し、卒業と同時に故郷へ帰り、徴兵検査を受けた。極度の近視眼のため、丙種でした、恥ずかしい気がします、と私の家へ遊びに来て報告した。

「田舎の中学校の先生をします。結婚するかも知れません。」

「もう、きまっているのか。」

「ええ。中学校のほうは、きまっているのです。」

「結婚のほうは、自信無しか。極度の近視眼は結婚のほうにも差支えるか。」

「まさか。」三浦君は苦笑して、次のような羨やむべき艶聞を語った。艶聞というものは、語るほうは楽しそうだが、聞くほうは、それほど楽しくないものである。私も我慢して聞いたのだから、読者も、しばらく我慢して聞いてやって下さい。

どっちにしたらいいか、迷っているというのである。姉と妹、一長一短で、どうも決心がつきません、というのだから贅沢な話だ。聞きたくもない話である。

三浦君の故郷は、甲府市である。甲府からバスに乗って御坂峠を越え、河口湖の岸を通り、船津を過ぎると、下吉田町という細長い山陰の町に着く。この町はずれに、どっしりした古い旅籠がある。問題の姉妹は、その旅館のお嬢さんである。