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ごぞんじよたばなし
御存与太話
国枝 史郎
「探偵趣味」1926(大正15)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,572 字 · 4 页
が醸されたという点でしょう。喜劇発生の原因は、随分いろいろありますが、利己主義者同志の鉢合わせなどは、皮肉な喜劇を産むようですね。
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本田緒生氏の力作に、久しく接しないということは、一体どうしたというのでしょう。「蒔かれし種」というような、ああいう力強い雄篇は、定評ある探偵作家にも、容易なことでは作れますまい。本田氏が怠けて作らないのか、作っても編集者の気に入らないのか? 一寸この点心元無い。
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森下雨村氏突然来名、風の如くに来たり風の如くに去る。その間わずか一時間半! 私、小酒井氏と眼を見合わせる。「東京の方は素早いですね」「いや其上土佐人です」
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次は私の思い出話――。
緒生氏は瀟洒たる好青年、しかし一旦ペンを持つと、随分頸烈な批評をします。遂に私の容貌を、謀反人面に迄出世させました。しかし親愛なる緒生氏よ、これは私の罪ではなくて、私の病気の罪なのです。由来バセドー氏病という奴は、眼球突出、甲状腺膨脹、全身ルイ痩、指頭戦慄、一見すると中風患者に見えます。思い起こす十年の昔、病気にならない其頃のこと、タキシイドを着てホテルへ行ったら、或る優しい未亡人が「すっかり若紳士の典型ですね」