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ごぞんじよたばなし

御存与太話

国枝 史郎

「探偵趣味」1926(大正15)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,572 字 · 4 页

青空文庫

新青年の五月号平林初之輔氏の「犠牲者」は、感銘の深い作でした。いろいろの緊急な社会問題が、ずいぶん沢山織り込んであるのが、際立った特色をなして居ります。遂に日本の探偵創作界へも、こういう作が産れたかと、感謝したいような作品です。私はこの作を読んだ時、ガルスウォシイの社会劇を、ふと心へ思い浮かべました。この作を読んだ大方の人は、可成り長い間考えさせられ、憂鬱になるだろうと思われます。

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小酒井不木氏の創作の中に「迷理的笑い」というようなものが、加味されて来たのは特色です。まさに鋳型から出ようとしている、こう云っても可さそうです。甲賀兄よ、安心して可なり。

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川田功氏の「或る朝」は、恰度一杯の清涼剤を、飲み干したようなスガスガしいもの、いい気持で読みました。文章に難は無いでしょうか? 併しこの点は私などより、もっと名文家として定評のある、他の誰かが批評すべきでしょう。

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「ホウィッスラアまいる」と「厄払い」牧逸馬氏の短篇で、例に由って絶好のコント、この二作の特色は、利己主義者と利己主義者とが、鉢合わせをした其結果、「笑い」