轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1944(昭和19)年2月号
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 21,483 字 · 43 页
四
虎之助はそばから手を貸していたが、脱ぎすてられる物を片寄せているうちに、ふと小さな袱紗包をみつけだし、なにやら訝しそうにじっとそれを見まもっていた。源七郎は頭からざぶざぶと水をかぶりはじめた。
四
「これはやりきれない、こう暑くてはどうにもならん、骨まで腐ってしまうぞ」だるそうな声でそう云う者があった、「……また始めたぞこいつ、ほかになにか云うことはないのか、口さえあけば暑い暑いと知恵のないやつだ」「……じゃあきさま暑くないのか」「暑いと思えば暑いさ、寒いと思えば寒い、すべてこれにんげん妄念のいたすところだ、唐のなんとかいう詩人のなんとかいう詩だっけ、安禅がどうとかして心頭を滅却すれば火もまた涼しと転結に云っているくらいだ」「安禅がどうするんだ」「安禅はどうでもいい心頭滅却というところが肝心だ」「どうでもいいといったって安禅がどうかするから火も涼しくなるんだろう」「いや安禅はどうもしやしない、安禅はなんにもしないんだ」「どうしてなんにもしないんだ」「……ぶん殴るぞ」まわりの者がみんな笑いだすと、向うからひとりが呼びかけた、「弥五に構うな、そのくらい無道理なやつはないぞ、このまえ犬居攻めのときだったが、総寄せになって矢だまのなかをひた押しに突っ込んでゆくと、弥五めおれの前へのそのそと