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とくながすなおの「はたらくひとびと」
徳永直の「はたらく人々」
宮本 百合子
「新潮」1939(昭和14)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,860 字 · 4 页
ではないだろうか。作者は姑との軋轢に苦しむアサ夫婦の心持を、旧套の力がのしかかる大さの感覚でうけて観ており、後半では作者自身の理想に立ってアサの成長を描いているようにも思える。アサが、誰にも負けるもんか、負けるものかと思っている、そういう前半の自然発生な女の勝気から、後半の、良人の古い半面にもめげず、自分の技術を高めようとすればあらゆる種類の仕事に従う現代の働く女が誰しも感じる働く女としての孤独感に到る心の過程、そのような勤労婦人としての成長をもたらしたモメントは、アサの生活のどこにあったのだろうか。前半から後半へうつる第四章の冒頭で作者は周到に、「一つのことについて明瞭になるまで十分に考えられない」状態としてアサの生活をも語っている。しかし、読者が作家に求めるのは、アサ自身は或は無意識であるかもしれないそういう人間成長の急所についての心にふれて来る物語ではないだろうか。利害相剋の緩和者として出現している梶井のありかたも、いいが、気になる何かが在るところも面白いと思う。アサが文選の仕事を見習いはじめてからの情景、山岸がアサに「お前帰れ――家へ帰れよ」