轻松读懂日语经典作品
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
「現代」大日本雄辯會講談社、1937(昭和12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,973 字 · 27 页
「盛綱ほどの智恵者じゃないわ」
「ハッハヽヽ」
「冗談は兎に角、学があると義太夫を覚えないなんて仰有ると、あなたの見識にかゝわりますよ」
「何故?」
「銀二郎さんのような学のある人が玄人になってこそ、太夫の地位が向上するんでございましょう?」
「よし/\。分っている。銀二郎さん」
「はあ」
「銀の字とやりましょう、これからは」
「はあ」
「へいと言って貰います」
「へい」
「俺は厳しいので評判だ。内弟子が順繰りに逃げてしまって、今は一人もいない。あなたに辛抱が続くかな?」
「大丈夫です」
「これから五年六年、みっちり修業をしないと物になりません。苦しいことがあっても、皆自分の為めだと思うんですよ」
「へい」
「必ず一人前の太夫に仕上げて、お父さんにお礼を言って戴きます」
と鐘師匠、相手の経歴に興味を持って快く引受けた。
銀の字は才が利く。成績の悪い弟子達の続いた後だったから、目に見えて師匠の気に入った。奥さんの覚えも芽出度い。教育が矢張り物を言うのだろう。美代子さんも銀二郎君が好きだった。銀さんぐらいの忠義者はない。有らゆる用を足す上に、宿題を手伝ったり、試験の山をかけたりしてくれる。