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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
小酒井不木『心理試験』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「心理試験」序、外務大臣の死、国枝史郎氏の人物と作品、ヂュパンとカリング、二重人格者、ポオとルヴェル、歴史的探偵小説の興味、誤った鑑定、安死術、恐ろしき贈物、怪談綺談、稀有の犯罪、体格検査、被尾行者、変な恋、「マリー・ロオジェ事件」の研究。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,338 字 · 197 页
サバチニはよく西班牙あたりを舞台にして探偵小説を書くが、イギリス、フランス、アメリカなどの事情に比較的馴れている私たちは(少くとも私自身は)あまりよく事情を知らない西班牙が背景となっていることにアットラクトされる。サクス・ローマーの探偵小説なども、主としてこの点をねらい所としているようである。
ことに歴史的探偵小説に於ては、冒険なり、探偵なりの際、主人公の奇智(即ち作者の奇智だが)が、どう働くかということに無限の面白味がある。科学の発達した現代ならば、或は、こうもすることが出来よう或はああもすることが出来ようと思われる所を、科学の発達しなかった時代、即ち、常識を使うより外道のない時代に、どうして目的を達するだろうかという所に、興味があるのである。別項に掲げた拙稿「世界裁判奇談」の中にも書いたが、大岡越前守その他の名判官の裁判物語は、その名判官の機智の働かせ方が興味の中心となっている。現代ならば訳なく解決出来ることでも過去の時代にはそうはいかない。そのいかなさ加減即ち、束縛された限局された活動範囲で、しかも見事に事件を解決するという所がいかにもうれしいのである。