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しんりしけん
心理試験
江戸川 乱歩
「新青年」博文館、1925(大正14)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,728 字 · 46 页
『ア、これは俺を試すのだな、どう答えたら疑われないだろう』などという風に亢奮するのが当然ではないでしょうか。ですから、そういう事情の下に行われた心理試験はデ・キロスの所謂『無辜のものを罪に陥れる』ことになりはしないでしょうか」
「君は斎藤勇のことを云っているのですね。イヤ、それは、僕も何となくそう感じたものだから、今も云った様に、まだ迷っているのじゃありませんか」
判事は益々苦い顔をした。
「では、そういう風に、斎藤が無罪だとすれば(尤も金を盗んだ罪は免れませんけれど)一体誰が老婆を殺したのでしょう……」
判事はこの明智の言葉を中途から引取って、荒々しく尋ねた。
「そんなら、君は、外に犯人の目当でもあるのですか」
「あります」明智がニコニコしながら答えた。「僕はこの聯想試験の結果から見て蕗屋が犯人だと思うのですよ。併しまだ確実にそうだとは云えませんけれど、あの男はもう帰宅したでしょうね。どうでしょう。それとなく彼をここへ呼ぶ訳には行きませんかしら、そうすれば、僕はきっと真相をつき止めて御目にかけますがね」
「なんですって。それには何か確かな証拠でもあるのですか」