轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しそうどういんろん
思想動員論
戸坂 潤
「日本評論」日本評論社、1937(昭和12)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,012 字 · 18 页
がこの活動の趣旨を奉賛したに過ぎなかったからである。まだ必ずしも民衆一般、或いは民衆層に対する充分な働きかけを意味しなかったからである。云うまでもなく民衆への下知的な働きかけはこの思想統制の目的そのものであったのだが、その目的を果すに必要な社会常識をこの統制は持つことが出来なかった。つまり国民乃至民衆を「統制」し得たにしても、事実上之を「動員」するだけの接着性を有っていなかったものだ。
事実思想善導と云っても国民精神作興と云っても、又国体明徴運動と云っても、夫が為政者や類似為政者の仕事を指すものではあっても、一般の民衆と何か関わりのあるものだというような印象は受け取ることが出来なかっただろう。それは民衆の日常生活が与り知ったことではなくて、どこかの官辺と官辺寄生者との事務上のモットーのようなものでしかなかった、というのが正直な感銘であったろう。特にその内容が最も具体的に鮮明且つ積極的になった処の国体明徴運動の如きは、林内閣の手によって祭政一致という超俗的な神職的神話に結びつけられ、夫によって政治感覚全体を著しく形而上学化したので、凡そ国民そのものとは縁のない呪物に祭り上げられて了った。