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しそうぎかいたるをしれ

思想議会たるを知れ

戸坂 潤

「中央公論」1937(昭和12)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,339 字 · 5 页

青空文庫

政党相互の間には或いは歩調の一致を欠くような点もなくはあるまい。だが之をバックする人民の声は之に号令をかけて足並みを揃える機能を多少とも持っている。政党はこの議会に於て、久しぶりに初めて国民の輿論を背景に持つことが出来る。六十九議会に於ては国民はまだ迷っていたし消極的だった。何等か国防主義的な意志に進歩性を発見すると云って得意がるようなのもいた。併し今度の議会ではもはやそうしたデマゴーグは口をきくことが出来ない。

尤も何と云っても政党は弱体だから、増税案乃至予算案に対する批判の徹底を期待することは、出来ないようだ。だがそれにも拘らず増税案と予算案とに就いて、それの持つ国民大衆にとっての露骨な意義は、之を充分世間的に又公的に暴露することが出来る筈だ。議会が文武官僚乃至半官僚的内閣の提起するものに就いて、如何に大胆率直に批判を下し得るかを、支配者と民衆とに知らせることは何よりも議会政治の恢復にとってモーラルサッポートを獲得する所以なのである。政党はそうした啓蒙的な役割を今議会に於て充分自覚すべきだろう。

少くとも日本ファッショ化反対の動きにとっての啓蒙的な効果やモラル上の効果から云えば、第七十議会はフル・コンディションにあるのである。