轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

国枝史郎『怪しの館 短編』。同一底本的分册已合并为一书。收入:怪しの館、一枚絵の女、犬神娘、開運の鼓、猿ヶ京片耳伝説、日置流系図、北斎と幽霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,915 字 · 165 页

青空文庫

這々の態で捕吏たち一同が、斗丈庵から立ち去った後、わたしたちは奥の部屋へ集まりました。野村望東尼様や平野国臣様が、この夜斗丈庵へ参りましたのは、お二人ながら勤王の志士女丈夫なので、同じ勤王家のご上人様を訪ね、国事を論じようためだったそうです。このことはよいといたしまして、わたしたちにとりましてどうにもわからない、一大事件の起こっておりますことを、庵主斗丈様の口から承わり、わたしたちは驚いてしまいました。というのはこの日の昼頃から、ご上人様のお姿が、庵から消えてしまったことなのです。

「庵の内は申すに及ばず、庵の外の心あたりを、くまなくおさがしいたしましたが、どこにもおいでござりませぬ」

こう斗丈様はおっしゃるのでした。

誰もが一言も物を云わず、不安と危惧とを顔に現わし、溜息ばかり吐いておりました。

とうとうわたしは我慢出来ずに、思っていることを云ってしまいました。

「お城下外れにある犬神の屋敷に、どうやらご上人様は監禁あそばされておると、そんなように思われるのでござります」

――それからわたしは出来るだけ詳しく、例の屋敷の建物の一つから、ご上人様の手だと思われる手が、雨戸の隙から出たということを、四人のお方に申しました。