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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
ああついに、麻綱には二人の勇士がぶらさがりました。綱はずっしりおも味をひきうけることになりました。はたして綱はこのようなおも味にたえましょうか、見ればその麻綱は、いまや怪塔の胴をむすんであるところで炎々ともえているではありませんか。
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なんと危い光景ではありませんか。
怪塔の胴をむすんである麻綱は、炎々ともえさかっており、しかもその麻綱には、わが二人の勇士がぶらさがって、おも味はたいへんふえています。麻綱はいまにも切れそうです。もし麻綱が、怪塔の胴のところからぷすりと切れたら、二勇士の生命は一体どうなるのでしょうか。
そのとき青江三空曹は、自分の服が燃えているのにやっと気がつきました。
「あっ、こいつはいけない」
服についた火は、じりじり体を焼きこがして来ます。
火をもみけしたいが、手が両方とも自由になりません。このようなはげしい空気のながれのなかでとても麻綱を一本の手で握り、体をささえることはできません。そんなことをやれば、たちまち墜落です。
青江三空曹は、ついに綱わたりをあきらめて、体をしきりにくねくねさせています。なんとかして服に燃えついた火を消したいとおもい、必死の努力をつづけていますが、風はいよいよあらく、火は燃えさかる一方です。