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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
ただ一回、まぐれあたりか、怪力線がぱっと青江機の車輪をささえている金具にあたりました。
すると、おそろしいもので、その金具はたちまち青い焔をあげてとろとろと溶けてしまいました。車輪は、ささえがなくなったので、下へくるくるまわりながら、おちていきました。
磁力砲が、金具にひどい熱をあたえ、人間の体にはそれほど熱をあたえないのは、この場合二勇士のため、まだしもの仕合わせでありました。
「もう一息だ。青江、がまんをしていろよ」
つよい小浜兵曹長は、はげしい空気の流にもひるまず、たったったっと綱にぶらさがって、青江三空曹のそばに近づきました。
「小浜兵曹長――」
「おお青江、気をゆるめちゃいかんぞ。死ぬなら、おれがよろしいというまで死んじゃならんぞ」
たいへんな命令をだす兵曹長です。
そのうちに彼はついに、青江三空曹の下っているところにつきました。
「おい、青江、火をけしてやるぞ」
「そんなことができますか」
「なあに、きっと消してやる」
小浜兵曹長は、水のはいった革ぶくろの底をゆわえてあった紐を口でくわえ、首をまげてぐっとひっぱりました。ふくろは逆さになり、破れ目から水が滝のようにふきだしました。