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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
この前、軍艦淡路にあらわれたきり、誰も博士の姿を見たものがないのです。磁力砲にやられた軍艦淡路の鉄板をたくさん切りとってもってかえった博士は、それをしらべてくれるはずでしたが、博士は本当にしらべているのでしょうか。
一彦少年は、大利根博士のことを、たいへん怪しい博士だとおもっています。塩田大尉は、それと反対にかなり信用しているようです。
どっちが本当か、それはいずれはっきりわかるでしょうが、一彦にしてみれば、いくら秘密の研究をしている学者にしろ、邸内にずいぶん怪しい仕掛をしているのがなにより不審でたまりません。
大利根博士の実験室が、部屋全体エレベーターのように下におりる仕掛になっていたり、またさっきみつけた隅っこの鍵穴に、あの怪塔王のもっていた猿の鍵がぴったりはいったりするところから考えると、大利根博士と怪塔王とは、なんだか深い関係があるようにおもわれます。
その深い関係とは、はたしてどんな関係でありましょうか。
重い壁扉はぎりぎりぎりと上へあがっていきました。そしてとうとう壁だったところが、すっかり開放しになりました。
いまこそ、室内がよくみえます。