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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
その跡をつけていきますと、奥の隅っこにあるテーブルの上につづいていました。
テーブルの上にも、下にも、血はたくさんこぼれていました。そのうえ、テーブルの下には、血にそまったズボンが一つ落ちていました。
「あっ、こんなものが――」
と、一彦がとりあげてみますと、ズボンはひどく血によごれ、そしてナイフかなんかで切ったらしくずたずたにひきさいてありました。
「どうした一彦君。なに、血ぞめのズボンがあったというのか」
塩田大尉は、かけつけるなり、そのズボンをとりあげて、電灯の光の下でじっとながめていましたが、さっと顔色をかえ、
「あっ、これは見覚えがある縞ズボンだ。いつも大利根博士は、この縞ズボンをはいていられた! すると博士は……」
一彦の探偵眼
1
怪塔王というふしぎな人物のために、軍艦淡路をこわされたり、飛行機をうちおとされたりしたものですから、わが海軍は、いよいよこれは一大事と怪塔王を本式に討伐することになりました。
なにしろめずらしい新兵器をもっている怪塔王を相手とするのですから、その作戦もなかなかたいへんです。
まず第一におしらせしなければならぬことは、秘密艦隊というものが編成されたことです。